ケイちゃんマナちゃんPresents ケイコとマナブ.net オリジナル連載小説
「あなただけの花束を」 Vol.1
03/01 更新
作:真弓創
イラスト:shiz
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村響子の朝は、今日も上司の叱責で始まるのだった。
「机の上から書類がなくなっただと!? バカな言い訳をするなっ! 君の机はジャングルか何かなのか!」
「すみません。どこかにあるのは間違いないので、今日中に探し……」
「1時間以内だ! いいねっ!」

司の五代耕一は企画営業部のエース。響子と同い年で課長に抜擢されているだけあって、仕事ぶりに容赦がない。周囲の同僚は哀れな目で響子を見ている。五代は響子を見ることもなく、鬼のような表情で書類に目を移す。
怒りをこらえつつ机に向かう響子は、心の中である決意をかためていた。
この日から響子と彼女の恋人のの、ある種の戦いが始まったのだった。
いじめてやる。いじめてやる。仕事が終わったら彼氏をいじめてストレス解消してやるんだ!

宅後、響子は部屋でモンモンと彼氏の到着を待っていた。
刻々と過ぎる時間。やがて、ガチャリと玄関のドアの開く音。ひっかけた糸が外れてシュルシュルと落ちる音も聞こえる。仕掛けがうまく作動したみたい。
「どわあぁっ!?」
彼氏の情けない悲鳴にウットリと癒されつつ、響子は満面の笑みを浮かべて玄関に向かった。そこには、ぬいぐるみの山に押しつぶされた五代の姿があった。
「響子ぉ……ひ、ひどい……」
「フンだ。私のこといじめた罰よ」

内恋愛が禁止されている会社で、響子が五代と秘密の恋をはじめてもう2年がたつ。職場では頭を下げっぱなしの響子だが、プライベートでは実は逆である。
「ごめん。本当ごめんね。俺、仕事モードに入っちゃうと止まんないんだ」
五代は主人に怒られた犬のようだ。まるでクタッと倒れた犬耳が頭についているように見える。
「知ってるよ。甘い関係もデートの約束もスポーンと忘れて、仕事に夢中だもんね……それがムカツク!」
仕事モードのバリバリ企画マン姿しか知らない会社の人間は、ふだんの彼を見るとびっくりするはずだ。無趣味無気力不格好。一日中家でごろごろして、たまにするのは散歩くらい。いまどき犬も子どもも連れずにただ公園を散歩するだけの人間なんて、五代くらいかもしれない。自分が犬っぽいくせに。それどころか、一歩間違えれば不審者だ。
「ふぃ〜。面白いドラマやってないかな」
ダラダラとパジャマに着替え、幸せそうな顔でコタツにもぐりこむ五代。もちろん響子は、まだいじめ足りない。
「ていっ」
ドラマのクライマックスでテレビのチャンネルを変えてやった。
「あっ。眉毛の生えてる犬のニュースだって。あはは」
ダメだ。まったく効いてない。彼にはテレビ番組へのコダワリすらないのだ。
そんな様子を見た響子は、クチビルをかみしめて決意した。
休日の彼がこんなにフヌケてしまうのも、頭の中が仕事一色になっているからだ。
そうだ! 五代の生活に潤いを作るのは私の役目のはずだ!
五代に何か趣味を! できたら、ついでにいじめられそうなヤツを!

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例)英会話 渋谷
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「あなただけの花束を」
「オンナのバトル!」
04/05更新 Vol.1
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