フラメンコは「情熱の踊り」「魂の踊り」といわれています。そんな言葉に惹かれて、 一度踊ってみたいと思った人も多いはず。自分自身の心の表現としてフラメンコを踊るというようなことができたら、どんなに素晴らしいでしょう。
今回はスタジオ発足18年という「石井智子フラメンコスタジオ」のコンサートへ潜入し、華麗なフラメンコの世界を垣間見てきました!

石井智子先生によるフラメンコスタジオコンサート「Concierto de Nuevas Flores」。今回参加した生徒さんは、銀座校と五反野校あわせて180名弱。このコンサートは1年半に1回開催、今年で第11回目を迎えました。毎年新宿文化センターで開催されていたのですが、今年は900名収容という、石井先生のスタジオからほど近い「銀座ブロッサム(中央会館) 」で、6月16日(土)と17日(日)の2日間にわたって行われました。会場は全指定席で両日ともチケットはほぼ完売。大勢の観客がフラメンコの奥深さに惹きつけられ、会場の至る所から感嘆の声が溢れていました。 “フラメンコ”というと、情熱をそのままぶつけるような激しい踊りを想像しがちですが、石井先生は女性の持つエレガンシアや美しさに重点をおいており、女性らしい独特な踊りのスタイルが特徴的です。アンダルシア地方のセビーシャの春祭りで踊られる「セビジャーナス」をはじめ、スペインの古典舞踊「アルハンブラ」や東洋の雰囲気を醸し出すジプシーの踊り「テイエント」、南米産の新しいリズムを取り入れた「タンゴ」など曲目も16曲種とバラエティ豊か。マントンという大判のショールや帽子、扇子を鮮やかに使いこなすなど色んなスタイルのフラメンコに舞台から目が離せません。 また、フラメンコは踊りだけでなく、ギターとカンテ(唄)も重要な要素です。カンテはスペイン人のクーロ・バルデペーニャス氏とアギラール・デ・ヘレス氏が担当。“生きた音楽”を体現させてくれました。“フラメンコはこころで感じるもの”とよくいわれますが、まさにその通りと実感した舞台でした。
足と手の動きだけで表現する妖艶な踊り「ティエント」。タンゴをゆっくりさせたもので、徐々に力強さを増す
扇子を使った「カラコレス」は下町風景を歌った曲。リズミカルなメロディーに合わせて踊る陽気なダンス
フィナーレは石井智子先生によるフラメンコの原点「ソレア」。女性らしいエレガントな動きは必見
ご自身のスペイン舞踊30周年を記念したリサイタル「ラ・エレガンシア〜魂の求めるままに〜」を今秋10月23日・24日に開催予定。そんな石井先生は5歳からクラシックバレエ、9歳からフラメンコを習っているダンスのスペシャリスト。「フラメンコは“こころ”の舞踊。自由でその人の赴くままの表現が可能なんです。自分自身の感情をストレートに表現し、ギター、カンテ、パイレ(踊り)が三位一体となってひとつの世界を醸し出すことができます。日常の自分を忘れることができる、これぞフラメンコの醍醐味だと思います」とフラメンコの魅力について語る石井先生。ご自身の経験からも基本は大切にしてたいという信念で、それぞれのレベルに合わせた振り付けをし、楽しく学べるよう心がけているそうです。
石井智子フラメンコスタジオ
住所:東京都中央区銀座1-19-16 銀座昭和ビルB1 TEL:03-3889-7211 レッスン時間:入門クラス/火19:30〜20:30、木18:30〜19:30、土11:00〜12:00 料金:入会金\12,000 、月謝\12,000、用具代/靴\10,500〜、カスタネット\8400〜 交通:JR有楽町駅から徒歩約10分、東京メトロ銀座線京橋駅2番出口から徒歩約3分
「自分に自信を持ち、ある程度の見栄を張らないと美しさって出てこないんですよね」と語ってくれた樹里さん。自信がないと視線も泳ぎがちで目力さえ感じられない。姿勢もどこか前屈みで下を向きがち。シャンとしていることが苦痛になってくるのだそう。でも、それではどこにいても美しく輝くことができない。そんなことをフラメンコというダンスを通して体感していったそうです。今回の公演でも自信をつけるために、毎日自主練習を欠かさなかったといいます。そんな努力を惜しまない樹里さん、舞台の上でもひときわ大輪の花のように美しくキラキラと輝いていました。
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1980年生まれ。27歳。富山県出身。派遣会社の営業。以前からフラメンコに興味を持っていたという樹里さん。体験レッスンを通して、体の中に眠っていた細胞と感覚が目覚め、ハートに届いた感じがしたのだそう。フラメンコは年齢問わず踊れるのが魅力だと語る樹里さん。素直に自分と向き合えるひとつの手段として、今後もずっと踊り続けていきたいと意欲的です。
樹里さんにとって、フラメンコの魅力って何?
いまの自分の生活でなくてはならないものがフラメンコです。フラメンコを通して、まずこころを解放することができるようになり、自分に自信が持てるようになりました。自分の悲しみや喜び、怒りといった感情をストレートに表現できるというのが一番です。
フラメンコを学んだことはいまの自分に役に立ってる?
毎日がとても楽しくなりました。喜怒哀楽という感情の「怒」や「哀」に関しては、いままで人に見せないように極力押し殺していた部分がありますが、これらは人間の基本的な感情のひとつです。悪いことじゃないんですよね。そんなことが分かってから物事を前向きに考えられるようになりました。仕事もレッスンがある日は、時間通りレッスンに行くためにはどうしたら早めに仕事を終えられるかと効率を考えるようになりました。フラメンコのおかげで生活にメリハリができたことも事実ですね。
フラメンコを観て、何だか分からないのに感動したという人は多いと思います。それはフラメンコは“感じるもの”だからだそうです。そして、フラメンコでは「感情は美観を超えるもの」であるとされているのだそうです。そのため、踊り手独自の感受性が頼りになってきます。だから踊り手のこころが観客に伝わり、感動を生み出すことができるのではないでしょうか。石井智子先生や高島樹里さんがおっしゃっているように、自己の感情をストレートに表現できるのがフラメンコの最大の魅力だと思います。初めて観る人も踊りや唄の意味は分からなくても、きっとこころにまっすぐに伝わってくるものがあるはず。フラメンコはこころで感じるものだから…。
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