お金の準備はどうする?学費やりくり術

学費捻出に役立つのはこの3大制度!

1 奨学金

学費面をサポートしてくれる制度として頼りになるのが奨学金だ。無利息や低金利のものが多いため、返済の負担が少ないのが何よりの利点。もっとも知られているのは日本学生支援機構の奨学金だが、それ以外にも地方公共団体や民間団体が運営するものや、大学が設けている奨学金制度もある。収入など条件はあるものの、多くの場合、社会人学生でも利用が可能だ。
それぞれ資格要件、返済義務の有無、利息の有無など内容が大きく異なるので、利用する場合はよく検討しよう。

日本学生支援機構の奨学金

募集人数が多く、他と比べて利用しやすい奨学金制度。無利息の第一種と、利息付きの第二種があり、併用もできる。どちらも貸与型。選考は、収入や成績により行われる。一種、二種ともに貸与終了後6カ月後から返還をする。

地方公共団体・民間団体の奨学金

地方公共団体では、その地域の出身者や、地域にある大学への進学者などに向けた奨学金制度などを設けている。申込みは大学を通して行う場合と、直接申し込む場合がある。民間団体の奨学金制度では、団体によって要件は異なるが、学部や専攻を条件としているものもある。募集窓口を大学としていることが多い。

大学独自の奨学金制度

学内で独自の奨学金制度を用意している大学も多い。経済的な理由で学費の支払いが困難な人を対象としているケースが一般的だが、成績優秀者などを対象とする制度を設けているところもある。成績優秀者には給付型とする場合も多い。また、近年は大学院生を対象とする奨学金制度の充実を図る大学も目立っている。

奨学金には貸与と給付がある!

貸与型は、返済義務のあるもの。無利子と、利子付とに分かれるので、利用する際は必ずチェックしよう。給付型は、返済する必要のない制度。成績優秀者など要件は厳しいが、ぜひ挑戦したい。

日本学生支援機構の奨学金は2種類

2 教育ローン

奨学金制度と同じように学費捻出に使えるのが教育ローン。もちろん社会人が利用することも可能だ。教育ローンには、日本政策金融公庫が融資する「国の教育ローン」や雇用・能力開発機構の「財形教育融資」などの公的なローンと、銀行やJAなどが設けている民間や組合のローンがある。また、最近は大学が民間の金融機関と提携して、学生向けの教育ローンを提供するケースが増えている。この場合、審査が通りやすく、また在学中の利子は大学が負担してくれたりといったメリットがある。

主な公的ローンの内容

3 教育訓練給付制度

教育訓練給付制度とは、指定された講座を修了すると、その費用の20%、最大10万円がハローワークより支給される制度。会社で働いているほとんどの人が利用対象となっている。大学・大学院の中にも教育訓練給付制度の指定講座はあり、その数は300以上。志望の大学・大学院が指定講座になっているなら、ぜひとも利用しよう。

▼教育訓練給付制度が使える講座特集

受給のための3つの条件

  • 雇用保険の被保険者であった期間が3年以上であること。ただし、教育訓練給付制度を利用するのが初めての場合、1年以上で受給可能。
    ※退職中の人でも、離職した日から受講開始日までが1年以内であれば利用できる。
  • 厚生労働省が指定した指定講座のみ適用
  • 給付を受けられるのは講座修了後。出席日数など大学・大学院が提示する条件を満たしていること。
  • 奨学金、教育ローン、教育給付制度をうまく組み合わせること!
  • 奨学金はできるだけ給付を狙う!奨学金の併用も!
  • 教育ローンは収入の25%内を目安にすると安心!

学費をより安くおさえるためのコツ

学費が安ければ当然ながら経済的負担は軽くなる。志望校選びの大前提は学ぶ内容だが、少しでも支払う金額をおさえたいなら、こんな制度にも注目!

1 割引制度を活用する

割引制度をもつ大学を狙ってみるのも一つの方法。出身大学へ再入学する場合、入学金を免除するというケースは多いので、母校に学びたい分野の学部・研究科があるかどうか調べてみよう。また、出身大学に関係なく、社会人学生に対して入学金を免除したり、成績優秀者など大学の基準をクリアすると授業料を割り引くなど、独自の割引・免除制度をもつ大学もあるのでチェックしよう。例えば、通信制大学の八洲学園大学では、夫婦割引・親子割引というユニークな制度を設けている。
このほか、学費の支払いを2回などに分割払いもできるので調べてみよう。

2 単位制学費の大学を狙う

単位制学費とは、履修する単位数に応じて学費を支払うシステムのこと。大学院修士課程2年のところを3〜5年かけて学ぶというように、長期履修を利用する学生が増えていることに対応して、最近は単位制学費を導入する大学が増えている。単位制学費であれば、一括納入の負担が少なくてすむのが魅力。例えば、デジタルハリウッド大学院では1単位からの履修を認めており、入学金とあわせて約30万円からスタートすることができる。

  • まとまったお金を用意するのが難しければ、分割払いや単位ごとの支払いも!
  • 入学前に学費の相談にのってくれる大学もある。説明会などで聞いてみよう!
  • 日々の節約も重要なポイント。学費捻出にむけ自分の支出も見直そう!