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医学博士・理学療法士
九州リハビリテーション大学校理学療法科卒。東海記念病院リハセンター長、秋津鴻池病院リハ部長、埼玉県立大学保健医療福祉学部准教授、星城大学リハビリテーション学部学科長・学部長歴任。 |
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健康とはいったい何だろうか? 世界保健機関(WHO)は健康についてこう定義している。
健康とは身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない
「健康というのは、身体も心も健やかな状態のことを指します。本学はみんなが『健康』な状態になるように、対象者を支援することを学ぶ大学院です」と、研究科長の植松教授は言う。支援の対象となるのは様々な人たちだ。
「例えば今は元気な高齢者でも油断すれば弱くなってしまいますから、それを予防することが必要です。このままでは介助が必要になってしまうような方に、介助がなくて済むように支援する。他にもメタボリックシンドロームなど生活習慣病の境界域の人や正常高値にいる人、そして肥満や糖尿病で悩む子供たちなど、年齢も状態も環境も、非常に幅広い多くの方々が対象です。そしてその支援のアプローチも実に多様です」と植松教授は言う。
「多様なレベルの方々を健康へと導くために、効果的な『技』や方法にはどんなものがあるのか。そしてそれを実践するためには何が必要なのか。それを研究し、正しく伝えることができる高度な専門指導者を養成しようというのが『健康支援学』です。健康は人にとって極めて重要なものですから、リハビリに関わる仕事をしている方はもちろん、介護に関わっている人、看護師、保健師、トレーナーなど、様々な分野の人に学んでほしいと考えています」。
同大学院では、カリキュラムを「リハビリテーション領域」と「生活健康支援領域」という領域に分けている。特に生活に関わって予防・支援しようという「生活健康支援領域」はかなり幅広い領域だ。
「高齢者が健康を維持するための情報を提供する社会システムはどうなっているのか、生活に役に立つものが政策としてできているか、整備されているかを検証するのも『生活健康支援領域』の研究分野です。情報発信の仕方を整備するだけでも、高齢者などが外に出ていくきっかけを作ることもできる。健康支援のためのスポーツクラブの経営、介護保険施設の管理・運営なども健康支援の一環と言えます。さらには、建築関係のバリアフリーの環境をつくるというのも一つの研究テーマになるでしょう。健康は誰にとっても重要なテーマですから、あらゆる仕事に深く結びついています。あまり限定して考えず、まずはアプローチしてほしい。『健康支援』という分野は、多くの人が関われば関わるほど、さらに良くなる分野なのです」。
より多くの人に学んでもらうために、平成23年度からは、インターネットを使ったライブ授業(遠隔授業システム)がスタート。基本的に専任教員の授業すべてが対象で、テレビ会議システムを利用した研究指導を受けることもできる。職場でも自宅でも、通学時間を気にせず大学院の教育が受けられるのは大きな魅力だ。 |
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医学博士・理学療法士
九州リハビリテーション大学校理学療法科卒。産業医科大学病院リハビリテーション部、青森県立保健大学健康科学部准教授歴任。星城大学リハビリテーション学部学科長歴任。 |
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運動器障害系リハビリテーション学という分野は、リハビリテーション全体の中でも重要な位置を占めている分野だ。しかし江西教授は、リハビリテーションに関わっていない人にもぜひ学んでほしい分野だと話してくれた。
「そもそもリハビリテーション自体が『生活』を対象にしているので、あらゆる人に関係する分野なのです。そのリハビリテーションの核となるのが、運動療法や障害学を扱う『運動器障害系リハビリテーション学』ですが、この研究領域は、そうした運動療法などを検証しようというものです。効果を検証しその根拠をはっきり示して、さらに意味のあること、広がりを見つけようとしています」。
江西教授は、運動ということを考えてもらう時に、よくスペースシャトルの話をするという。
「スペースシャトルの中で生活する宇宙飛行士の様子を思い出してください。無重力の状態は身体に様々な影響を与えていますが、その一つに体重が無くなることで身体に負荷がかからず、筋力や骨密度といった体力がどんどん落ちていくという問題があります。実は障害を抱えた方々の身体の状態というのは、この無重力状態に近いものがあります。それは身体を動かすことができないために、負荷をかけられないということです。人間の身体は動いて負荷がかからなければ、どんどん弱っていくのです」。
宇宙という特殊な環境で運動を考えることと、障害を負った方にどのような運動療法を施すのがいいかを考えることには、実は共通するものがあるのだ。このように、リハビリテーションという枠組みにとらわれずに、運動について幅広い興味を持って研究を進めていくことが大切だと、江西教授は言う。
「看護や介護、ソーシャルワーカーといった方々にとっても、この領域は役立つのではないでしょうか。例えば『加速度計』を使った動作記録で、一日のうちでどれくらい身体を動かしたかを調べることができ、実際の介護現場ではどのくらい身体を動かしているのかがわかるでしょう。また、介護手法を三次元動作解析装置を用いて分析し、効果的な方法を検証することもできます」。
「人は人と関わり、尊厳を持って生活できるということがとても重要です。しかし運動機能にひどい障害があって、誰かに頼らないと食事も排泄もできない人もいます。これは人としての尊厳が最も傷つくことです。誰かに頼らず、自分自身で生活できるようにする、というのはリハビリテーションの一番大事な部分です。そのために何ができるか。いろいろな分野の力を合わせて研究することが大切です」。 |
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社会福祉学博士・作業療法士
国立療養所東名古屋病院附属リハビリテーション学院作業療法学科卒。茨城県立医療大学保健医療学部助教授歴任。 |
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「『認知・発達障害系リハビリテーション学』では、記憶に関わるメカニズムから物事を認知するということ、そして人間の行動・行為といった流れについて、脳の機能から心理社会的なことまで学びます。そして発達障害系リハビリテーションとしては、障害を持って生まれてきた子供に対するアプローチだけでなく、生まれる以前の、母体も含めた母親の生活習慣や環境などについても学びます」と竹田教授は言う。
「分かりやすい例としては喫煙やダイエットがあります。こうした習慣は、子供に十分な栄養が行き届かず、発育障害の可能性が高まります。つまり、若い方を含めて生活習慣を考えながら健康をとらえないといけません。誕生してからでの対応では手遅れになる部分があるのです。ほかにも、肥満や糖尿病の子供たちは、出生時の体重が2500グラム未満である場合が多いという調査結果や、アメリカではファストフード店が多い地域に住む子供に肥満が多いという報告もあります」と竹田教授は言う。
「今起こっている現象だけをなんとかしようとしても不十分で、環境的な要因を考えていかないと、健康は確立しないし、健康寿命(健康な状態)を長く保つことができない。この領域ではそういった考え方を押し広げていきます」。
例えば、高齢社会の課題である認知症予防には、環境的な要因がカギを握るという。
「認知症予防には、適度な飲酒、社会的ネットワーク、趣味・余暇活動、知的活動、運動が必要と言われていますが、それを早い時期から生活に取り入れることで認知症を防ぎ、健康を増進する。それには周囲のサポートや地域のコミュニティなど、取り組みを促進する環境が重要です。そして、こうした部分は保健師や看護師、ケアマネージャーなどにも大きく関わってくる内容です」。
認知症に対するリハビリテーションやケアの在り方を、記憶や認知・行動という枠組みでとらえることで、対処の仕方を踏まえながら実践していくことが今求められている。
「この領域は、子供からお年寄りまで、個人から家族そして地域と、非常に広範囲に『健康』をとらえることができます。人とのつながりや地域を豊かにしていくことに力を注がないと、身体的健康だけでは人間の健康は保持できません。こうしたことに興味・関心がある人に学んでほしいと思っています」。 |
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医学博士・理学療法士
愛知医療学院理学療法科卒。自治医科大学附属病院・愛知医療学院(教職)を経て現職。 |
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「リハビリテーションと聞くとイコール機能回復訓練という印象を持つ方が多いと思います。では、そもそもどうして機能回復訓練を行わなければいけないのか? それは『生活を取り戻す』ということに尽きます。生活行動科学という分野は、この『生活を取り戻す』ということにスポットを当て、研究を行う領域です」と山田教授は話してくれた。
しかし私たちは、肝心の「生活」というもの自体を、実はよく分かっていないのだという。
「何時に目覚め、何を食べ、何時間眠ったのかといったことは分かっていても、一日の中でどんな動作を多く行っているのか、どのくらい身体を動かしているのか、また、障害のある方や高齢の方は生活パターンがどのように変わるのか。そういったことになると、よく分からない部分がたくさんあります。そうした生活を様々な角度から紐解き、研究していきます」。
この生活行動科学は、人間の行動や生活パターンを分析し、そこから生活をとらえる『生活活動学』と、段差や階段など人間を取り巻く環境の中から生活をとらえる『生活環境学』という二つの小分野からなり、是非とも保健師・介護福祉士の方にも興味を持ってほしい、と山田教授は言う。
「保健師さんによる生活習慣病指導からみた生活のとらえ方、介護福祉士さんによる介護領域での生活のとらえ方など、『生活』を考える様々な視点があると、この領域はもっと面白くなります。
講師は、理学療法士や作業療法士の他に臨床工学士なども講義を担当しているという。
「異なる専門職種が関わっているからこそ、高齢者の生活という点だけ取ってみても、テーマはたくさんあります。例えば、現役を引退した高齢者の生活はどのように変化するのかを、具体的なデータを提示し、どのようにすれば健康な生活を送り続けることができるのかといった研究も行います。また、田舎の段差のある家で暮らすお年寄りは、普段の上り下りが運動になっていることが多い。そのため、特別な運動は必要ない人もいます。普段の生活の中で活動量を増やせれば、それに越したことはないわけです。視点を変えてみるとバリアフリーは本当に良いことなのか? そんなことも考えてみたいテーマです」。 |
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医学博士・理学療法士・社会福祉士
九州リハビリテーション大学校理学療法科卒。産業医科大学病院リハビリテーション部を経て現職。 |
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「この領域でのキーワードは『運動』です。運動を通して障害を予防しようという分野です。高齢者の介護予防、成長期のスポーツ障害から、熱中症、運動の効罪、障害者が気をつけておくべきことなどまで幅広いものを対象とします」と言う、大川教授が担当するのは『スポーツ健康支援学』だ。
「オーバーワークや逆にまったく運動をしないのは悪いと言われますが、それが身体のどんな仕組みや作りに対して影響するのか。どんな動きをすればプラスになり、何がマイナスになるのか。そもそもなぜ運動しないといけないのかなど、あらゆる運動時の留意点を学びます。また、障害のある方にスポーツを普及していきたいというのもテーマの一つです。障害者が走ったり跳んだりすることを、当たり前にとらえられるような経験や勉強をしてもらいたいですね」。
研究の対象は、体育学部出身の人や障害者施設での指導員、看護の分野にも広げられる内容だと大川教授は話す。
「例えば山歩きが趣味の人が、経験的に身に付けたものを系統だてて勉強したいとします。歩行距離に応じてどんな身体的変化が起こったか、脚力と歩行の関係、平地と丘陵地帯での歩行、何年続けると身体的に違いがあるかを明らかにする研究なども面白いかもしれない。趣味の活動を学びの活動にすることができるわけです。私が考える大学院とは、『興味を持った対象を明らかにする手続きを学ぶところ』。テーマは個人の自由。思い込みではなく、科学的な手続きで事実を解明する。その手続きを学ぶのです。大学院で提供できるのは、日常的に感じているふとした疑問を、科学的な手法を通じて、一つの結果を導き出す手段です。その結果はだれもが知っていることかもしれない。しかし偏りのない科学的な手法を身につけると、次の疑問に直面したときに、考える糸口を掴んだり、解決するための手段を考えたりすることができます。ただ調べる分野が違ったり、対象が違ったり、参考となるものが違ったりするだけ。最初にその問題点を分類し、ポイントを明らかにする。それについて関連する資料を集め、実験的に何かを行い反応を整理して、結果に対して先人の研究成果を参考に解釈、考察をするという手続きを学ぶところが大学院だと考えています」。 |
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| ここはリハビリテーション分野における、最前線の研究機関であることは間違いない。だがこの大学院が目指すところの『健康支援』はリハビリテーションにとどまらず、様々な分野にとって重要な視点が入っている。これからの高齢社会の中で新しい姿が求められている、介護や福祉、さらには建築、インテリアなど。人が生きていく上で関わる全ての領域に関する研究を深めてもらいたい。 |
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