一定の長さで織られている反物を有効に使い、振袖や訪問着など着物をつくりあげる和裁士。和裁の技能を証明する資格検定試験にはいくつかあるが、国家検定となっているのが和裁技能検定だ。国(厚生労働省)が働く人々の技能を検定し、証明するもので、137職種について実施している技能検定のひとつ。合格すると技能士の称号が与えられる。和裁技能検定には3級、2級、1級の3段階があり、各級とも実技試験と学科試験が行われる。実技試験は3級は長じゅばんの仕立て、1・2級についてはあわせ長着を仕立てる作業。学科試験では、製作法、織物、染物、色彩、着装法など和装全般の専門知識まで問われる。職業人として必要な能力を試す検定試験とあって、着物業界では評価が高いものだが、年齢に関係なくずっと仕事を続けたいなら2級以上を取得しておきたい。
プロとして活躍するには、着物を美しく仕上げるための柄の合わせ方や、着心地の良さを配慮した仕立て方など、ハイレベルな技術とセンスが求められる。さらに、納期までに仕上げる手の速さも不可欠。そうしたポイントをクリアできれば、呉服店などと契約して、自宅で仕立てをして収入を得ていくこともできるだろう。ほか、和服の専門知識を活かして呉服店の販売員や和裁教室の講師など活躍の場は広い。