日本企業の海外進出にともない、欧米や中国などで特許を申請する動きが活発化している。しかし、誤訳や原文の不備で守られるべき権利が確保できないことも多い。特許明細書の翻訳は、通常の翻訳力に加え、特許特有の文書スタイルに精通し、国際的に確立されている専門知識を必要とする高度なものなのだ。日本の知的財産(知財)が正当に評価・保護されるためには、優秀な翻訳家の育成と確保が急務である。
そこで、翻訳者のレベルを認定し優秀な翻訳者を確保するため、また翻訳者の勉強の目標として、日本知的財産翻訳協会(NIPTA)による知的財産翻訳検定が誕生した。日本語から英語への知財翻訳能力について必要な3つの要素((1)技術理解力、(2)翻訳力、(3)特許制度・実務に関する英語知識)を評価する。
試験は、インターネットを利用したオンライン試験で、自宅で受験する。試験問題は、共通問題と、専門技術分野問題((1)電気・電子工学、(2)機械工学、(3)化学のうち1つを選択)の2部構成。答案のレベルに応じて1〜3級、または級外の判定となり、2級以下だと、今後の指針となるようなコメントが個別に郵送される。また、1級合格者は面接審査を経て認定となる。現在の和文英訳に加えて2006年度より英文和訳の試験も実施される。中国語の試験も検討中だ。