働く人と職場を支援?現場で行動する産業カウンセラーって? | ケイコとマナブ.net

働く人と職場を支援?現場で行動する産業カウンセラーって?

人事や総務のような社員と身近に接する部署の求人条件として、「産業カウンセラーの資格を有しているとなお良い」というような記載を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
産業カウンセラーという資格は、会社内のメンタルヘルスケアに有力な資格のひとつです。今回は、産業カウンセラーについて紹介します。

知名度も人気も高い「産業カウンセラー」

産業カウンセラーとは、働く人と組織の支援をするための資格です。長時間労働によるうつ病の発症や、モラハラ・パワハラなど、職場で起きる日常的なトラブルに対して、カウンセリングなどを通じて、従業員や職場を支援しています。
産業カウンセラーは臨床心理士などに比べて資格取得の難易度は低いものの、学歴がなくても受験できる資格のひとつです。また、2001年までは公的資格であったことから知名度も高く、実際にカウンセラーとしての需要もあるため、社会人の受験者が多いことが特徴です。

「産業カウンセラー」の資格取得に給付金がでる?

産業カウンセラーの受験資格を取得するためには、一般社団法人産業カウンセラー協会が提供している「産業カウンセラー養成講座」を修了するか、大学院研究科で心理学や人間科学などを専攻し、一定の単位を取得していることが必要になります。
産業カウンセラー養成講座を受講する場合、資格取得に学歴が必要ないため、社会人でも受講しやすいのが特徴です。また、通学だけではなく通信講座での受講もできるため、忙しくてあまり時間が取れない人、立地の関係で通学が難しい人なども受講しやすいシステムになっています。
ちなみに、通信講座の場合でも、スクーリングに出席しなければなりません。これはカウンセリングの実習講座となるため、完全通信での受講は難しい点は注意しておくといいかもしれません。

・教育訓練給付金について

産業カウンセラーの受験資格を得るための養成講座を受講するためには、20万〜30万の費用が必要になります。教育訓練給付金という制度を利用することができれば、学費の20%(上限は10万円)に相当する金額の補助を受けることが可能になります。受講スタイルによって変わってきますが、約4万から6万が給付金として支給されることになります。
教育訓練給付金の受給資格を簡単にまとめました。詳しい条件については、公式サイト等で確認してください。

・受講開始日に在職者であり、雇用保険の被保険者期間が3年以上あること
・資格喪失日から受講開始日までの期間が1年未満であること
・前回教育訓練給付金を受給している場合は、それから3年以上経過していること

産業カウンセラーの資格を今の勤務先に活かすかどうかに関係なく、雇用保険の被保険者などの要件を満たせば、教育訓練給付金の支給が受けられます。(2018年3月6日時点の情報)

「産業カウンセラー」の試験内容について

・試験に関して

産業カウンセラーの資格を取得するためには、資格試験に合格する必要があります。産業カウンセラーの試験ですが、年に一度、毎年1月の日曜日に試験が行われています。
試験は学科試験と実技試験に分かれており、それぞれ試験日が異なります。受験料は、学科が1万800円、実技が2万1600円となり、合計で3万2400円となっています。

・合格率

産業カウンセラーの合格率や合格者数は毎年少し変わりますが、大きく変動することはありません。2016年度のデータでは、受験者数は学科が4044名、実技試験は1618名となっており、最終的な合格者は2803名でした。
合格率は、学科と実技がそれぞれ73%前後、総合すると約67%となっています。

業界は問わない「産業カウンセラー」資格を活かせる職場

産業カウンセラーは、働く人や組織の支援をすることを目的とした資格です。実際に資格を取得すると、どんな仕事に活かすことができるのでしょうか。

・人材派遣会社や企業の人事

人材派遣会社の社員は、すでに勤務を開始している派遣スタッフと定期的に面談したり、新しく派遣スタッフとして登録する人と面談を行ったりと、直接スタッフと接する仕事です。
そのため、キャリアの一部として産業カウンセラーの資格を有している人材はニーズも高く、実際に人材派遣会社の求人にも産業カウンセラーの資格を要件としているものが見られます。
また、会社の人事部も同様です。人事や総務といった社員のサポートをする部署では、社員にまつわるいろいろな相談事が寄せられます。
会社によっては定期的に面談を実施したり、会社の中にカウンセリングルームを設けて福利厚生に努めたりしているところもあります。人事でも、産業カウンセラーという資格を活かして仕事をすることが可能です。

どう違う!?「キャリアコンサルタント」との仕事内容

産業カウンセラーによく似た資格として、キャリアコンサルタントの資格があります。どちらも働く人に対して支援を行うことを目的とした資格ですが、このふたつにはどのような違いがあるのでしょうか。

・キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルタントは、「キャリア」という言葉のとおり、職業の選択や能力開発などをサポートする資格です。就職活動中の学生や、転職を考えている人などに対してカウンセリングを通じてサポートを行い、相談者のキャリアパスを支援する資格です。キャリアコンサルタントは、現在は国家資格となっています。

・キャリアコンサルタントは産業カウンセラーの上位資格

もともと民間資格であったキャリアコンサルタント。しかし、その質を向上することを目的として、2014年に国家資格となりました、
産業カウンセラー養成を行っている一般社団法人産業カウンセラー協会では、キャリアコンサルタントを、産業カウンセラーとは別に、キャリアに関するコンサルティングへ焦点を絞った資格としています。産業カウンセリングで培ったカウンセリング技法を活かしながらできるもので、プラスで持っていると有利な資格となります。

まとめ

産業カウンセラーは、民間資格でありながら、知名度が高く心理系の大学などを卒業していなくても受験資格が認められることから、社会人になって心理系の資格を取りたいと考えている人には取得しやすい資格といえます。

(監修:産業カウンセラー 大野萌子)