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教授紹介
國學院大學大学院
文学研究科

目次

佐藤 長門
:日本古代史

【インタビュー】人気教員は社会人をどのように指導しているのか?

専門分野:日本古代史さとう ながと佐藤 長門教授

國學院大學大学院
文学研究科

史料から語る古代史、史料に語らせる古代史を目指します。

担当科目
日本古代史研究  I  II、日本古代史特殊研究 I  II
経歴
國學院大學文学部史学科卒業、同大学院文学研究科博士課程前期修了、同大学院文学研究科博士課程後期満期退学、博士(歴史学)。駒場学園高等学校教諭、國學院大學文学部専任講師、同助教授、同准教授、同教授
著作物・論文
『日本古代王権の構造と展開』吉川弘文館(2009年)、『遣唐使と入唐僧の研究』編著、高志書院(2015年)、『蘇我大臣家』山川出版社(2016年)、『古代東アジアの仏教交流』編著、勉誠出版(2018年)、「女帝と王位継承」『テーマで学ぶ日本古代史』政治外交編、吉川弘文館(2020年)、「八・九世紀の后妃制に関する覚書」『古代史論聚』岩田書店(2020年)、「奉誄儀礼と王権継承」『國學院雑誌』121-11(2020年)
これまでどのような学生を指導してこられたのですか?
  今まで大学院に進学してきた学生は、将来できれば研究職や専門職に就きたいと考えている人が多かったように思います。彼らは実際に研究していく過程で、自分の適性や得意とする分野などを慎重にみきわめ、史料の読解力を活かした専門の資料機関や公務員などに就職していきました。また、自らの研究テーマを深掘すべく、大学院へ進学する社会人の方もいます。
  大学院進学には、学部レベルの歴史学についての基礎知識や研究方法等を身につけている必要がありますが、大学院で研究・展開される歴史の知的探究にぜひ挑戦したい!という社会人の方々が今後も増えることを期待しています。
ゼミや研究室ではどのような教育をされていますか?
  古代史の場合、学部までは活字化された史料を基に、卒業論文を書いてきた学生がほとんどでしょう。しかし大学院で研究をするには活字史料だけでなく、その元になった写本にまで検討範囲を拡げ、一字一句を精査していく作業が必要になります。よって大学院の授業では、藤原師輔の日記である『九暦』をテキストにして、さまざまな写本や活字史料を比較し校訂していく作業をしています。文字の確定後には、読み下しや解釈を履修生みんなで検討し、現代語訳をおこなったうえで、個々人の興味関心に従った考察をします。このような授業を経験することで、史料を解釈する力が知らず知らずに身についていきます。「実証史学」を標榜している本学では、まず史料をどのように扱うのかを学んだうえで、各自の研究課題に向き合うという順番になると考えてよいでしょう。
  また論文指導演習では、各自の研究テーマに即して毎回一人ずつ発表し、質疑応答を経ることで自分の研究の問題点を自覚し、次の発表につなげる指導をしています。
どんな経験や関心を持つ学生に進学してほしいですか?
  歴史学に限らず、学問はすべからく「知的好奇心」がなければ成り立ちません。さまざまなことに興味関心をもち、何が問題でどのように考えれば答えが出るのか、解決に向けてこまごまとした作業もいとわないような性格でないと、続けていくのは困難でしょう。特に古代史は、現存する史料の数が他の時代と比べると少なく、研究史も膨大でなかなか新しい見解を出すのが難しいと考えられているようですが、未解決の問題はまだまだ多く残っており、毎年多くの論文が発表されています。他の時代に比べると、より論理的な思考が求められる傾向が強いことも、古代史の特徴の一つといえるかもしれません。
  以上のことからすると知的好奇心に富み、細かな作業もいとわず、しかも合理的思考ができる人が古代史研究にはふさわしいことになるかもしれません。ただ、もっと重要なのは「歴史が好き」ということではないかと思います。
  「歴史が好き」な方々への教育という意味では、中・高等学校等で教鞭をとる先生方のリカレント教育の場として大学院が役立てるのではないかと思います。新たな学説が次々と発表され、日々進化を遂げている歴史研究の最前線を知ったうえで教鞭をとるのと、知らずにとるのでは大きな違いがあると考えるからです。
  真剣に取り組めば、1年である程度史料を読むことも可能です。「歴史が好き」という想いを、ぜひ本学の歴史研究の場で昇華させて頂けたら幸いです。
問合せ先03-5466-0142(大学院事務課)ホームページはこちら
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