先輩たちがあなたの素朴な疑問に答えます「社会人学生のホンネ」CAFE

今月のテーマ「ゼミ&教授」

学ぶことで人生変わる?お金はどのくらいかかる?仕事との両立って実際どうなの?どんな人と知り合える?などなど、大学院に通おうと思っている社会人の皆さんはいろんな疑問や不安を抱えているはず。そんなときは、経験者に聞くのがイチバン!そこで社会人学生の先輩たちに素朴な質問を投げかけてみた。先輩たちの生の声を是非参考にしてみよう。

回答してくれる先輩たち

東京成徳大学大学院 心理学研究科臨床心理学専攻 三杉達也さん(33歳)慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 手銭建太さん(32歳)LEC会計大学院 結城邦博さん(39歳)


Q1.大学院選びの時点で教授にはこだわっていた?

三杉さん :
発達系や家族心理を専門とされる教授がいるかどうかは調べました。東京成徳大学大学院には、児童心理学を専門領域とする石崎一記教授が在籍されていて、ぜひ石崎先生に学びたいという気持ちは持っていました。
結城さん :
当初は教授より科目を意識していたのですが、LEC会計大学院のパンフレットを見ると、金融庁企業会計審議会元会長の若杉明教授、日本の原価計算、ファイナンスの第一人者である諸井勝之助教授、日本の監査論を築いた檜田信男教授をはじめすごいメンバー。「財務・会計・監査に関する日本の頭脳が揃っている!」と驚きました。もちろんこの教授陣も大学院を選んだ決め手の1つです。

Q2.研究テーマは何?入学後に変わった?

手銭さん :
当初は金融機関の海外戦略に興味があり、それに関連した知識を深めたいと考えていました。ですが1年間もかけて学ぶなら、これまでのキャリアにプラスアルファできる新しい分野に取り組んで知識を吸収したいと考え直し、現在は医療保険者がこれから取り組むべきメタボリック対策について研究しています。医療は複雑・難解と思い込む人が多く、敬遠されがちな分野ですが、それだけにしっかり学べば他者と差をつけやすいため、やりがいのあるテーマだと確信しています。
三杉さん :
受験の際に、研究計画書の提出が求められました。入学の動機を時系列で書いていくと、なぜこの大学院を希望するのかがはっきりすると考え、オーストラリア留学中に得た福祉体験から書き起こし、児童の発達についての知識を深めたいという研究テーマを明確にしました。この研究テーマはいまも変わっていません。
結城さん :
アカウンティングスクールは専門職大学院なので、通常の修士課程のようなゼミや修士論文はありません。ですから、自分の目標とするプロフェッショナル像に従って不足している部分を補う科目を履修するという学び方になりますね。

Q3.担当教授に学んで特に感銘や影響を受けたことは?

三杉さん :
希望どおり石崎先生のゼミに入ることができて、うれしく思っています。石崎先生は、ネイチャーゲームなどのグループワークが感性の発達にどのような影響を及ぼすかを研究されています。個別のカウンセリングだけではなく、遊びなどを通じてグループ全体に対してのアプローチもしたいという自分の思いと重なる部分が大きいので、これからの本格的なゼミ活動がとても楽しみです。
結城さん :
担当教授はいないのですが、日本のトップを走ってきた教授陣の授業はやはり示唆に富んでいます。先ほど名前を挙げた若杉教授を例に挙げると、現状どうかという話にとどまらず、例えば今の会計基準には取り入れられていない環境会計や人的会計などを含め、先を見越した話までが聞ける。こうした視点は現場だけでは得られませんから、貴重ですね。
手銭さん :
医療経済学を研究分野とする田中滋教授のゼミに所属しています。医療分野のような公共政策に関わる研究では、一つの局面から見ればベストだが、その一方では0点という提案は格差が大きすぎて受け入れられません。バランスを考慮しながら全体が70点に収まるような政策を出すべきと教わっています。あらゆる局面から物事がどう見えるかを考え、事実検証を行って結論を導くというアプローチは、田中先生の指導から得たものですね。

Q4.ゼミはどんな雰囲気で行われている?

手銭さん :
ゼミ生は私のほか、医師、看護師、大学から上がってきた人の4名です。ゼミでは、それぞれの研究テーマについて意見を出し合いながら学びを深め、さらに個別に田中先生の意見を聞いて研究を進めています。とくに医師、看護師という専門性のある2名がいて医療政策や病院経営といった知識を習得できるため、とても有意義な時間を過ごしています。

Q5.担当教授との付き合いは?

結城さん :
教授との距離感の近さは感じますね。教授と飲みにいくこともありますよ。長く監査法人にいらっしゃる実務家の先生とも飲みに行きました。そういった方とざっくばらんに話をするなんてなかなかできない経験ですよね(笑)。そういう席では、割とホンネトークをしてくれるんです。ためになる「ウラ話」も聞けました(笑)
手銭さん :
研究テーマ以外の教養を深めるのも大事というのが田中先生の考え方です。このため月1回の定例イベントでは、ゼミ生はスーツ着用でレストランに集まり、先生を囲んで医療政策からワインのウンチクまでさまざまなテーマで話をします。また、合宿ではOB・OGはもちろん、田中先生をつながりのある他大学の教授なども集まって、私たちの研究テーマについてアドバイスを受けています。人脈がどんどん広がっていくので、こうした集まりはとても貴重だと実感しています。
三杉さん :
石崎先生は、体が大きくて話し振りも豪快なので、大雑把な印象をもたれやすいのですが、実際はとても繊細な方だと感じています。見ていないようで実は全体の動きをきちんと理解されていて、グループワークが終わると、表情の硬かった学生には後でさらりとフォローしている。そうした姿を拝見して、石崎先生のもとでみっちり学びたいという思いを強くしています。

先輩プロフィール

三杉達也さん(33歳)
東京成徳大学大学院
心理学研究科臨床心理学専攻
三杉達也さん(33歳)

プロフィール

高校卒業後、オーストラリアに留学し、福祉系の専門学校で学ぶ。帰国後、児童福祉施設などで指導員として働きながら、立正大学心理学部臨床心理学科(夜間主コース)に通学する。卒業後、2007年4月から東京成徳大学大学院で臨床心理学を学んでいる。

大学院に進学した理由

福祉の現場で働く際、経験に頼った指導では限界があると痛感したため。

進学してよかったこと・苦労したこと

将来のやりたいことに向けて着実に知識・スキルを吸収している。苦労しているのは学費の捻出。奨学金でカバーしようと考えている。

手銭建太さん(32歳)
慶應義塾大学大学院
経営管理研究科
手銭建太さん(32歳)
大手損害保険会社
法人営業

プロフィール

早稲田大学卒業後、大手損害保険会社に入社。ほぼ10年にわたり、法人営業に携わる。海外駐在もしくは留学の希望を提出していたところ、社内の選抜試験に合格し、慶應義塾大学ビジネススクールへの企業派遣の資格を獲得。06年4月から同大学院で学んでいる。

大学院に進学した理由

日本企業の海外進出に興味があり、金融機関の国際戦略を学びたいと考えた。

進学してよかったこと・苦労したこと

社外に出て学ぶことで仕事内容や会社そのものを見直すよいきっかけになった。仕事柄、早急に結論を出そうとするクセがあり、そこは直すのに苦労している。

結城邦博さん(39歳)
LEC会計大学院
結城邦博さん(39歳)
財務会計コンサルティング会社
コンサルタント

プロフィール

名古屋大学理学部物理学科卒業後、都市銀行に6年間勤務(融資・デリバティブ等担当)。当時、企業派遣で南カリフォルニア大学にMBA留学。米系ITメーカーに転職して経理財務を経験した後、外資系企業2社を経て、現在は財務会計コンサルティング会社に勤務。07年4月からLEC会計大学院へ。

大学院に進学した理由

短期的には財務会計分野の知識の幅を広げつつ、深堀りをし、コンサルタントとしての守備範囲を広げるため。また、長期的にはCFOのポジションに就きたいと考えているため。

進学してよかったこと・苦労したこと

よかったことは、思っていた以上に早く知識が身についたこと。苦労しているのは科目登録のやりくり。取りたい科目がたくさんあるので(苦笑)