大学院入試対策のために知っておくべき4つのツボ

大学院入試対策って何をすればいいの?にこたえる、知っておくべき4つのツボを徹底解説します

大学院の入試は一般入試の場合でも社会人入試の場合でも対策すべきことは基本的に同じ。 研究計画書の書き方から面接対策まで、大学院入試対策を徹底解説します。

大学院入試対策のために知っておくべき4つのツボ

大学院入試ではどんなことをするの?

大学院入試ですが、一般入試の場合と社会人入試の場合で若干内容や重視する箇所が違います。

一般入試の場合

学部を卒業後、さらに学問を究めるために大学院への進学を望む場合は一般入試の利用が多いかと思います。入試科目には研究計画含む書類審査、面接・口頭試問、小論文、語学、専門科目などがあります。

社会人入試の場合

社会人入試の場合は一般入試と同様書類審査、面接・口頭試問、小論文、語学、専門科目などがありますが、社会人の受け入れに積極的な大学院では、これらすべてを課すケースはそこまで多くはありません。社会人の多様な経歴を評価しようと、入試科目の負担を軽減してくれる大学院も。そのぶん、出願書類の一つである研究計画書を重視する大学院が多いです。専門科目がある場合は、その対策に時間が必要な場合もあるので、できる限り情報を集めておきましょう。

大学院入試 対策のツボ① 研究計画書

社会人入試における研究計画書は、学ぶ意欲が問われる重要な選考材料。英語や専門科目(小論文)の受験対策を進めるのと同時に、研究計画書の作成も早い時期から始めることが大切です。

研究計画書の作成をすすめるにあたって

1 取り組みたい研究の内容を整理する
研究計画書を作成する前に、大学院で取り組みたい研究内容を一度整理してみること。その際、社会経験との関連性やオリジナリティを重視して考えてみるとよいでしょう。

2 志望する研究科の先行論文を確実に押さえる
ある程度テーマが決まったら、次は下調べ。ひとりよがりの研究計画書になってしまうことを避けるためにも志望する研究内容の先行論文には必ず目を通しておくようにしましょう。

3 研究する意義や内容のアウトラインを決める
研究計画書のポイントはオリジナリティ。人と同じ研究内容にならないよう独自の視点で考えよう。希望する指導教官に連絡をとって相談してみるのも○

4 どのような文書構成が効果的なのかを考える
ここまでくると研究計画書の作成も大詰め。計画書は見た目がとても重要なので、文章を続けて書くのを避け、要点をわかりやすく整理して書くことがポイント。

5 作成したら第三者に一度確認してもらう
設定したテーマの正当性を考えるなど、研究計画書を客観的に見直すことが大切。ただ、自分でチェックすることは難しいので、第三者に見てもらうことをおすすめします。
●社会人のためのワンポイントアドバイス
社会人の場合は社会経験と研究テーマの関係性が重視されるので、できるだけ自分のやってきた仕事とかかわりのあるテーマを選びましょう。その際には、自分の職務経歴書を見直したり、書き直したりすることから始めてみると良いです。大学側が見るのは、受験者が社会でどのような経験をしてきたか、またその経験を生かしてどういった研究をしたいと考えているか。自分がやってきたことを整理し直してみて、そこからテーマを探し出すと、試験官へのアピール度の高い内容にまとめるための道筋がつくので、実践してみましょう。

研究計画書の実例を見る
https://shingakunet.com/syakaijin/article/guide/d71-050_05_2.html

大学院入試 対策のツボ② 面接

大学院入試の面接試験は研究計画書をもとに行われます。例えば、事前に提出した計画書に適当なことを書いてしまえば、試験官から突っ込まれたときに対応できないなんてことにもなりかねません。ですので、まず研究計画書をしっかり作成すること、次に計画書に書いたことに関しては何を聞かれても答えられるくらいに把握しておくことが大切です。
特に、研究テーマ設定の背景はよく聞かれるポイント。自分の社会経験やバックグラウンドとの論理的結びつきや関係性について、どんな質問をされても論理が破綻しないよう、事前にシミュレーションしておきましょう。
研究計画書は、テーマの選定と研究アプローチのオリジナリティがどれだけあるかという点も重要なポイントの一つですので、そこを的確にアピールできるよう準備しておくことも忘れないようにしましょう。

大学院入試 対策のツボ③ 過去問チェック

筆記試験があるなら、研究計画書の作成を進めつつ、この対策も早めに始めること。志望の大学院が過去問題を公表しているなら入手して傾向を分析し、対策を立てていきましょう。小論文や英語では専攻に関連した出題が基本となるので、専門書や概論書をなるべく多く読むことがポイント。また社会人入試の専門科目は小論文形式で出題されることが多いので、文章を書く練習をしておくとよいです。なお社会人入試では受験科目を選択できる形式にしていることが多いため、研究テーマに近い科目を選択すれば、研究計画書の作成と並行して対策ができます。

大学院入試 対策のツボ④ 小論文

小論文のために何か対策をするというよりは、志望する専攻に関連した文章を書けるようにしておくという視点で考えたほうが良いでしょう。
具体的な小論文の書き方についてですが、まず、問題を読んで何が書いてあるのかをつかみます。その後、文章の構成を考えてから書き始めましょう。そして書いたものはできるだけ人に見せてチェックしてもらうようにすることが大事です。
小論文でNGなのは、結論を書かずに答案を提出してしまうこと。時間内に一通り書き終えるようにするのが前提なので、途中までいくらいい文章が書けていても、結論がなければすべて無駄になってしまいます。時間配分を意識して書くことも心がけましょう。
小論文は受験生間の差が付きやすい科目です。志望専攻に関連した書籍を読み、それを要約するトレーニングなどを早い段階から重ねておくと、効果も大きいでしょう。

大学院入試 対策のツボ⑤ 英語

大学院の英語入試問題は、基本的に全訳か部分訳、要約の3つに絞られます。大学入試とは違い、穴埋め問題などは出題されません。また、ごく一部の大学院では英作文を課すところもあります。これらの問題のほとんどが長文での出題となるため、日頃から長文への苦手意識を克服しておくことがポイント。
また、問題文は専攻にかかわる内容のものが出されるため、テクニカルターム(専門用語)の習得が最重要課題。テクニカルタームのボキャブラリーを増やしておくことが得点増のカギになります。 最近では、例えば「法律英単語集」という形で法律のテクニカルタームが1冊にまとまった参考書なども出てきていますが、すべての分野で単語集が出回っているわけではないため、専門分野の原書に目を通しておくというのも一つの手段です。ただ、問題を解くうえで中心的な単語を訳し間違えると大きな減点になるが、それ以外の単語まで気にしすぎる必要はないでしょう。また、和訳の問題を解くときは、日本語の読みやすさを多少犠牲にしても、英文法がわかっているということを示す意味で、なるべく直訳的に書くようにするのがポイントです。

大学院入試対策として、予備校の活用も一つの手

大学から大学院に進学を目指す場合はたとえ他の大学の大学院を目指す場合においても、周囲に同じ志をもつ仲間がいてお互いに情報交換ができるかもしれませんが、社会人受験生の場合はまわりに相談できる人が少ないのではないでしょうか。そのため、ちょっとしたことでもどうしたらいいのかわからなくなり悩んでしまいがちです。無駄な不安を感じたり、遠回りの受験対策を重ねたりするリスクを解消するためにも、予備校を利用してみるのも一つの手です。最初は試しに短期の講座を受けてみるだけでもOK。何より、受験に関するいいアドバイザーになってくれるので、志望校選びから、試験の直前対策まで頼りになる存在になるかもしれません。

入試の日程を知ろう

最後に、受験対策をするうえでスケジュールを決めるためにもまずは自分がねらう大学院、気になっている大学院の入試時期を確認しましょう。最近は春(4月)入学に加えて、秋(9月)にも入学生を受け入れている大学院も多くあります。また春入学の場合、複数回入試を行うところもあります。気になる大学院については、募集要項で入学時期、入試の実施時期・回数を最初にチェックしておくと、入試準備のスケジュールを立てやすいでしょう。

春(4月)入学の場合

入試時期:9~10月/12~3月
※秋・冬の時期に2回入試を行う場合や、秋にのみ行う場合、秋に入試を行った結果、欠員が出た場合のみ冬に入試を行う場合など、さまざまな入試のパターンがあります。

秋(9月)入学の場合

入試時期:6〜7月

最終更新日:2022年11月29日

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