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芸術・デザインガイド芸術・デザインの最新事情/選び方/学費と奨学金/大学院一覧/提出書類/受験までのダンドリ/試験攻略

クリエイターとしてのスキルアップやクリエイターへのキャリアチェンジのために、芸術・デザイン系の通信制大学や大学院で学ぶ人は少なくありません。これらの大学・大学院では、今どのような教育が提供されているのか、どのような観点で選べばいいのかなど、まとめて解説します!

芸術・デザイン系 大学・大学院の最新事情

芸術・デザイン系通信制大学の最新事情

芸術・デザイン系の通信制大学・大学院は年々充実傾向にあります。

通信制大学で学べる内容はどんどん広がってきており、陶芸などの伝統工芸からデジタル技術を駆使した先端的なデザインまで豊富なコースを用意する大学も増加。通信制とはいえ、インターネットを活用した双方向的な授業やスクーリングの充実で、教育・指導の密度も濃く、卒業後はプロとして働くことも可能な表現技法や理論を習得することも十分可能です。また、この分野は、学生層も多様。働きながら各分野のクリエイティブ系職種への転身を目指している層、あるいは基礎の学び直しや表現の幅を広げる目的で学ぶ現役のクリエイター・デザイナーから、趣味・教養目的で好きな分野についてじっくり学ぶ層まで、非常に幅広くなっています。

芸術・デザイン系大学院の最新事情

この分野の大学院も社会的なニーズに対応して多様化が進んでいます。コモディティ化が進み、日用品から工業製品に至るまで企業戦略における「デザイン」の重要性が上昇。また、企業のブランド戦略が精度を増すなかで、マーケティングと連動した高度なデザイン戦略も求められるようになっています。こうした流れに対応し、グラフィック、映像、ファッション、工業製品、建築、空間といった幅広い分野の先端的かつ戦略的なデザイン理論、またデザインと連動したマーケティング戦略について学べる研究科が増加。このほか、デジタル技術が進化するなかで、新しい表現の可能性を追求する場、あるいは、アートプロジェクトを地域活性化などの社会的課題の解決につなげるための考え方や手法を学ぶ場としても注目されるようになっています。

これらの大学院では第一線で活躍するクリエイターが教員を務めるケースが多いのも大きな魅力の一つ。また、デザインやアートを活かした起業や新規事業開発などに対応した実践的ビジネス教育も充実傾向にあります。

芸術・デザイン系大学・大学院の選び方

芸術・デザイン系通信制大学の選び方

この分野の通信制大学選びのポイントの一つは作品の添削指導。学生の習熟度に合わせたわかりやすく丁寧な指導が行われているかどうかはリサーチしておきたいところ。また、スクーリングの内容や頻度、会場なども重要なチェックポイントです。大学によっては大学のキャンパス以外に各地にスクーリング会場を設けている通信制大学もあります。

そのほか、インターネットをどの程度導入しているかも効率的に学びたい人にとっては気になる項目。オンデマンド授業や添削指導の有無なども調べておきましょう。

芸術・デザイン系大学院の選び方

この分野の大学院は教育内容そのものが多彩なので、まずはカリキュラムをチェックし、自分の学びたいことに合致しているかどうかを確認することが大切。現役クリエイターがどの程度そろっているかなど、教員陣の顔ぶれもチェックしておきたいポイントです。働きながら通う人は夜間開講の充実度なども調べておきましょう。

芸術・デザイン系大学・大学院の学費と奨学金

芸術・デザイン系通信制大学の学費

必要な費用は大学や履修する科目によって異なりますが、初年度納入金の相場は10万円台~30万円台といったところです。大学によってはスクーリングや科目修了試験の費用を別途徴収するところもあるので、事前に調べておきましょう。

芸術・デザイン系大学院の学費

国立の大学院は、入学金28万2000円、授業料53万5800円としているケースが多いです。公立は国立に準じる額か、多少安い程度が相場。私立は大学院によって金額が大きく異なります。入学金は20~30万円が相場ですが、なかには数万円台というところも。授業料は他分野よりは高めで、年額100~150万円あたりが多いです。そのほか、数万円~10万円台程度の施設費などが別途必要となります。

芸術・デザイン系通信制大学の奨学金

通信制大学の場合、日本学生支援機構の奨学金が利用できるのは、夏季・冬季スクーリングや通年スクーリングを受ける場合に限られ、貸与額も上記の金額とは異なるので注意が必要です。独自に貸与型・給付型の奨学金制度を設けている大学もあります。

芸術・デザイン系大学院の奨学金

日本学生支援機構の奨学金が利用できるほか、大学が独自に給付型奨学金を設けているケースもあります。入学試験の成績優秀者を対象に授業料の全額または半額を給付する大学院も。このほか、地方自治体や民間団体が設けている奨学金もあるので、幅広く情報収集することをお勧めします。

芸術・デザイン系大学・大学院受験までのダンドリ

通信制大学出願までのダンドリ

まず学ぶ目的を整理したうえで、自分のそれまでの学歴や大学・短大での修得単位に応じて、初年次入学か編入学か科目等履修か、編入学だとしたら何年次からなのかを決めます。過去の単位の扱いなど自分だけでは判断が難しい場合は志望校に問い合わせましょう。

通信制大学は入学のタイミングを4月と10月の年2回設けているところが多く、出願期間も1~5カ月と長めに設定されているのが一般的。入学時期ごとに複数回の出願期間を設けている大学もあります。また、インターネット出願できる大学も増えており、その場合、資料や志願票は郵送で取り寄せる必要がなく、手軽にダウンロード可能。

また、通信制大学の入試はほとんどが書類選考のみなので、試験対策は特に必要ありません。資料を確認して出願書類を揃えたら、「善は急げ」で最も早い入学時期に合わせて出願するのがいいでしょう。なお、多くの通信制大学では、入学月の直前、あるいは少し過ぎた時期でも受け付けてもらえます。もちろん、出願期間中の早い時期に出願すれば勉強期間をしっかり確保できるので、それに越したことはないのですが、「もう3月(9月)も下旬だから…」とあきらめる必要はありません。

大学院受験までのダンドリ

必要な準備は入試科目によって変わります。芸術・デザイン系大学院の入試は、書類選考(研究計画書や志望理由書を含む)、作品・ポートフォリオ、小論文(または専門科目)、英語、面接などで選考されることが多く、大学院やコースによってはさらに専門実技が課されるケースも。一方、一部には、書類選考、面接中心の入試を行う大学院もあります。作品・ポートフォリオ、専門科目、研究計画書、英語などの対策が必要な場合は、遅くとも入試の半年ほど前には情報収集して、対策をスタートさせておきたいところです。

芸術・デザイン系大学・大学院出願の際の主な提出書類

通信制大学の提出書類

編入学の場合、大学・短大卒業者なら、大学・短大の卒業(見込)証明書や成績証明書、専門学校卒業者なら、編入学資格証明書が必要となります。いずれも出身校で発行してもらいますが、書類の作成・発行に数日を要する場合もあるので早めに手配しておくことが大切です。そのほかに必要な書類は、志願票、健康診断書などです。

大学院の出願書類

研究したいテーマ、研究の目的、進め方、スケジュールなどをまとめた研究計画書は研究系の大学院ではほぼ必須です。また、この分野では、作品やポートフォリオの提出を求められることが多く、規定や点数などを確認して早めに準備することが必要です。そのほかの主な提出書類は、大学卒業(見込)証明書、成績証明書、志願票、履歴書、職務経歴書、推薦書、健康診断書など。出身大学に発行してもらう書類は、入手までに数日を要する場合があるので、早めに準備しておきましょう。

芸術・デザイン系大学院の試験攻略法

研究計画書の攻略法

合格に近付く研究計画書を作成するポイントは、先行研究を踏まえたうえで、実際に研究したいテーマやコンセプトを明確にすること。社会人の場合は、自分の制作活動や業務と関連のある研究テーマを設定するといいでしょう。

まずは、興味のあるテーマに関して先行研究の文献をリサーチするところから対策を始める必要があります。ただし、学術系の論文などを書き慣れていない人の場合、適切な文献探しから苦労することも多いので、早い段階から予備校などで指導を受けたほうがベター。構成のポイントなども指導してもらえます。合格した研究計画書の例などを参考にしつつ、繰り返し添削指導を受けてブラッシュアップしていきましょう。

作品・ポートフォリオの攻略法

作品やポートフォリオはこの分野の大学院では合否の大きなポイントになります。ポートフォリオは、単なる作品集ではなく、自分の制作活動のコンセプトをわかりやすく伝えることも重要な目的。アピールしたい要素を意識してわかりやすく構成する工夫が必要です。「専攻・コースのテーマに合わない」「時系列で並べただけ」「詰め込みすぎ」といった難点があるポートフォリオでは評価を下げてしまいます。自信がない場合は、予備校や先輩クリエイターからのアドバイスを受けて、修正を重ねましょう。

面接の攻略法

研究計画書や志望理由書に基づいて質問されるので、提出書類の内容はしっかり頭に入れておくことが大切。もちろん、書類に書いていないことも聞かれるので、自分の職業経験や今後のキャリアの展望などに関しては考えをまとめておくようにしましょう。この分野では、自分の作品や研究したいテーマに関してプレゼンテーションを求められることも多いので、志望校の傾向を確認しておきましょう。