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産業技術大学院大学
グローバルへの進出と、社長会とのコラボレーション。スーパープロフェッショナルを育成する専門職大学院の新しいチャレンジ。
前田 充浩氏 慶松 大海氏
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東京都が設立した公立の専門職大学院
社会にイノベーションをもたらし、産業を活性化する能力を持つスーパープロフェッショナルを養成する。こうした目標を掲げて2006年に東京都が設立した産業技術大学院大学(AIIT)は、高度専門職人材の育成を行う専門職大学院である。社会人を意識し講義は平日夜間と土曜日の時間帯で実施。情報分野のスーパープレイヤーを育成する「情報アーキテクチャ専攻」と、感性と機能の統合デザイナーとしてイノベーションをもたらす「創造技術専攻」という2つの専攻を持つ。
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創業によってイノベーションをもたらす人材を育成
AIITが育成しようとしているのは「イノベーション」を起こせる人材だ。それは単なる技術革新という意味ではなく、まったく新しいものを生み出す力を指している。同大学院の石島辰太郎学長は、「(企業が新しい事業に取り組んだり、新しく会社を立ち上げたりする)創業はイノベーションにとっては必須の行為であり、これ無しにはイノベーションは実現されない」と説いている。つまり、産業技術大学院大学が育成を目指すスーパープロフェッショナルとは、「単に専門知識やスキルを豊富に持ち、日常的な問題の解決能力に長けた専門職人材という訳ではなく、新しい会社を興す人材であり、あるいは既存企業内で新しい事業分野を生み出せる人材」(石島学長)なのだ。
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PBLで磨く業務遂行能力
AIITはこの「スーパープロフェッショナル」の育成するために、特徴的なカリキュラムを実施している。それが「PBL(Project-Based Learning)教育」だ。同大学院では2年次のカリキュラムはすべてPBLで行われる。学生は数名ずつのグループに分かれ、各グループには3名の教員や産業界からの指導員がつく。それぞれが設定されたプロジェクトテーマに取り組みながら、イノベーションに必要な、異分野コミュニケーション能力、リーダーシップ、フォロワーシップ、ファシリテーション力といった、業務遂行能力(コンピテンシー)を身につけていくことになる。 新しい事業を発案しそれを実行していくには、さまざまな専門知識を持った人材でチームを作り、そのチーム力を最高に発揮させる必要がある。PBLはそのために不可欠な能力を身につけることができるのだ。
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約1割の学生が経営者
こうしたスーパープロフェッショナル人材を養成しているAIITには、20代から60代までの幅広い年齢層の学生が学んでいる。さらに特徴的なのは約1割の学生が企業経営者であるということだ。創造技術専攻の慶松大海氏は、そんなAIITで学ぶ経営者の一人だ。
「私は大規模システムの導入コンサルティングとシステム販売の会社を経営しています。現在アジアにブランチを持っていますが、『国際論』を学んで今後アジアでのビジネスをより強化したり、日本の強みである『ものづくり』を学ぼうと大学院で学ぶことを決心しました。友人がAIITで学びその評価がとても高かった上に、平日夜間と土曜日の講義やビデオでも受講ができる『ブレンデッド・ラーニング』があるなど、社会人向けに考えられた学びの仕組みも魅力的でした」(慶松氏)。
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「社長会」を発足させ、大学院とコラボレーション
慶松氏は大学院生に経営者が多いことに気づき、「せっかく集まった経営者同士で何かできないか」と話をしていることを、何気なく石島学長に相談したことがきっかけになって、2013年12月に「社長会」が発足することになった。
「AIITには、さまざまな分野の専門的知識を持ち、大学院で勉強しようという高い意欲を持った学生が集っています。経営者としての視点で見ると、ビジネスコラボレーションのきっかけづくりや、優秀な人材のリクルーティングなどの実利的な面もあります。また基本的に仲間を放っておけないという人が多いので、若い世代にキャリア支援のアドバイスもできたらという話も出ました。石島学長からも大学院の教育研究の幅を広げることにつながるというお話をいただき、『社長会』という学長直属の組織を立ち上げることにつながりました」(慶松氏)。
現在はアントレプレナー養成の分科会が立ち上がり、起業を目指す大学院生にノウハウと起業のために大切な視点などのレクチャーが始まっている。
「経営者の思いと大学院の考えが一つになって生まれたのが社長会です。構成メンバーは修了生ネットワークにも広がり、今後の活動についても、AIITの運営諮問会議を構成する日本を代表する企業との連携など、さまざまな活動アイデアが多方面にわたって広がっています。また最近は、AIITが事務局本部になっている国際組織『APEN』と連携し、アジアでの事業展開に活かせないかという活動も始めました。学ぶことに加えて、こうした活動でたくさんの刺激を得ることができるのもAIITの魅力です」(慶松氏)。
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アジアに広がるグローバル活動
APEN(Asia Professional Education Network:アジア高度専門職人材育成ネットワーク)は、アジア諸国の大学を中心として、各国の企業・研究機関などによって構成された国際組織。今後のアジア発展のカギとなる産業人材育成を効率的に進めるために、PBLの発展と普及を目的として2011年6月に設立された。現在は中国(上海交通大学)、韓国(浦頁工科大学)、ベトナム(ベトナム国家大学)をはじめとしたアジア14カ国が加盟している。AIITはそのAPEN全体の事務局本部を担当している。
「教育機関で行うPBLという教育手法は米国や欧州で開発されたものですが、その発展には日本独自の『社内教育』があったという見方があります。それを大学や大学院教育でカバーしようと充実させていったのがPBLなのです」。そう話してくれたのは創造技術専攻の前田充浩教授だ。APENの事務局長として、アジア各国の首脳級に高度専門職人材を育成する重要性と、その手法としてPBLの有効性の理解を働きかけ、各国に加盟を促してきた中心人物である。
「日本の発展を引っ張ってきた高度専門職人材育成システムを、今まさに高い経済成長を目指しているアジアの国々と共有することで、地域の発展につなげる。それがAPENの大きな目標です」(前田教授)。
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大学院教育と産業振興を結びつける
そんなAPENのネットワークはAIITの学生にとっても大きなチャンスになっている。たとえばAPENが進める「オンリー・ワン中小企業ミッション」は、優れた技術を誇る日本の中小企業とAPEN参加各国との連携を支援するものだが、慶松氏は社長会のメンバーとして参加し、アジア各国とのネットワーク構築に役立てている。
「政治体制や宗教、文化がまったく違う国々に進出したり、ビジネスをしたりするのはかなりハードルが高いものです。しかしAPENという教育と産業振興が結びついた機関の活動の中でネットワークを構築できることはとても貴重です。AIITという大学院が、勉強の場でもありビジネスに直結した場にもなる。入学前は想像もしていませんでしたが、この価値は何にも代えがたいものではないでしょうか」(慶松氏)。
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編集部の視点
専門職大学院として社会人対応のカリキュラムを組むだけでなく、産業界や海外各国との結びつきを深めた教育・研究を行い、大学院生たちも含めたすべてのつながりを活かしてコラボレーションしていく。イノベーションで新しい価値を生み出す人材を育成するAIITは、自らも新しい専門職大学院のあり方に挑戦しているように思えた。
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