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世界へ羽ばたく強みになる?!
ビジネススクール・MBAの「国際認証」って何だろう

国際認証イメージ

社会や事業の課題解決に主体的に取り組みたいと考える人、そして、そのためのスキルや知識を身につけたいと考える人にとって、ビジネススクールでの学びは非常に有益なものであることは間違いありません。そこでの学びや経験から、論理的・批判的な思考法や広い視野、人を巻き込み目標の達成までやり抜く力を身につけ、多くの人が「自分が求める自分」への成長を実現してきました。

しかし、自分の求める力が手に入るのは果たしてどのビジネススクールなのか、それを見定めることは、実際に大学院で学んだことがないビジネスパーソンにとって、なかなか難しい問題です。

そこでこちらでは、ビジネススクールにおける学びを検討する上で一つの指標となる「国際認証」についてお話したいと思います。

国際認証を代表する3機関「AACSB」「AMBA」「EFMD」

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日本国内はもちろん世界の多くの大学や教育機関においてビジネススクールが開設されていますが、国や教育機関によって置かれた環境や教育目的が異なる中、それらを一元的に評価することはできません。

そこで、第三者機関がそれぞれの方針・尺度によって認定するのが、ビジネススクールにおける国際認証です。MBAの本場とされるアメリカの他、ヨーロッパの複数の国やアジア、そして日本にもこの第三者評価機関はありますが、中でも代表的なのが次の3つの認証機関です。

AACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business)(本部・アメリカ)

マネジメント教育の第三者評価機関として世界一の権威を持つMBA国際認証の代表的存在です。1916年に設立され、100年を超える歴史を持っています。大学院がその存在価値や基本目的を明らかにしたミッションを持ち、その達成に想像的に取り組んでいるかはもちろん、そのための資源配分や財務戦略も含めた「教育の質」を重要視する点に特徴があり、認証取得後も毎年改善レポートの提出を義務付けている他、継続して認証を受け続けるためには5年ごとに行う実地審査に合格する必要があります。

AMBA(the Association of MBAs)(本部・イギリス)

1967年にロンドンで設立された認証機関です。実務経験を有する社会人プログラムが組まれていることを認証の条件に、1800時間の学習時間および学生集団と教員の接触時間が少なくとも500時間が必要であることや、マスターレベルの学習プログラムであることが実証されるかなど、カリキュラムの内容まで詳細に審査しています。

EFMD(European Foundation for Management Development)(本部・ベルギー)

1972年にブリュッセルで設立された国際認証機関です。マネジメント教育に特化したうえで、その学術研究の側面も合わせて重視した国際認証を実施することで知られ、EQUIS(European Quality Improvement System)とEFMD Accredited MBAという2つの認証を実施しています。認証には5年認証と3年認証の2種類があります。

なお、この3機関すべてから認証を受けたビジネススクールは「トリプルクラウン」と呼ばれています。実践性と学術研究でともに説明責任を果たす必要があるため、そうした大学院は非常に希少な存在です。

日本におけるMBA国際認証の現状は

2023年03月現在、この3つの機関から認証を受けている日本のMBAは、それぞれ次の大学院です。

AACSB 慶應義塾大学大学院(経営管理研究科)、国際大学大学院(国際経営学研究科)、名古屋商科大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学大学院(経営管理研究科)
AMBA 中央大学ビジネススクール(戦略経営研究科)、名古屋商科大学大学院(マネジメント研究科)、立命館アジア太平洋大学大学院(経営管理研究科)
EFMD EQUIS:早稲田大学大学院(経営管理研究科)、名古屋商科大学大学院(マネジメント研究科)、EFMD Accredited MBA:明治大学大学院(グローバル・ビジネス研究科)、青山学院大学大学院(国際マネジメント研究科)

日本国内にもABEST21(The Alliance on Business Education and Scholarship for Tomorrow, a 21st century organization)という国際認証機関が2005年に設立されており、日本およびアジアを中心としたビジネススクールにおける教育の質保証を行う第三者評価機関としての役割を果たしています。2021年現在、日本のほか、中国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、アメリカ、メキシコ、ドイツ、ロシアのビジネススクールがABEST21のメンバーとなっています。

学ぶ側にとっての国際認証の意義は

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国際認証はあくまでビジネススクールを選ぶ上での一つの指標であり、あなたが受講を考えている大学院が国際認証を取得していないからと言って、それが即大学院の評価を下げる理由になるというわけではありません。一方、各国際認証機関の審査項目はそれぞれに厳しいものですから、その項目に対する説明責任を継続的に果たしているという意味で、教育の質を保証するものとして信頼できる評価軸であることも間違いありません。

まずはその教育内容を実際に確かめて自分に合った大学院を選ぶことが大前提ですが、とりわけ将来海外で活躍したいと考えている方にとって、国際認証を取得したビジネススクールの学位はご自身の教育履歴をアピールする上で一つの武器になります。教育内容も、AACSBならアメリカの、EQUISならヨーロッパの多くのMBAと互換性があるので、今後、よりグローバル化が進み海外の人材との競争する機会が増えていく中でも強みとなる可能性があります。

ビジネススクール・MBAの受講を検討する際には、あなたの進学の目的や目標、将来のビジョンなどと照らし合わせながら、国際認証の取得実績を判断基準の一つとしてみてはいかがでしょうか。