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教員免許/教職ガイド(1/4

教職大学院、教員免許が取得できる通信制大学・大学院の情報をまとめて紹介!

「大学卒業後は民間企業に就職したけど、やっぱり学校の先生になりたい!」という方にでも、今から通信制大学で学んで先生を目指すことはできます!
また、この分野では、教員免許取得者の実務能力養成を目的とした教職大学院も全国で急速に数を増やしており、要注目。
それぞれの基本情報や最新情報をお伝えします。

1-1教員になるには

社会人から教員になるには、主に通信制大学などで教員免許を取得するという方法があります。
教員免許取得後、都道府県が実施する教員採用試験に合格すると、公立学校の教員になれます。私立学校の場合は、学校に直接応募します。
なお、教育現場で働く前に、しっかり実践力を養っておきたいという場合は、免許取得後に教職大学院に進学する道もあります。
期間的には遠回りにはなるものの、複雑化・高度化している教育現場の課題に対応する力を磨くには有効なステップといえるでしょう。
なお、上越教育大学、兵庫教育大学など一部の教職大学院では、教員免許がない人を対象に、3年間で一種免許と専修免許が取得できるコースを設けています。
この場合、大学院で教員免許を取得することが可能です。

1-2教員免許が取得できる通信制大学

教員免許(一種・二種)は、大学か短大の教職課程で必要な単位を修得すると、卒業と同時に得ることができます(大学卒業で一種免許、短大卒業で二種免許)。
通信制大学にも教職課程を設けているところがあり、すでに大学や短大を卒業した人でも、通信制大学で学び直すことによって教職免許を取得することが可能です。
例えば、「大学は卒業しており、当時教職課程をとっていたが、一部必要な単位を修得していなかった」という人なら、必要な単位のみを改めて通信制大学の科目等履修で修得すれば教員免許が取得できる可能性がありますし、また、「大学は卒業したが、教職課程はまったくとっていなかった」という人でも、通信制大学に3年次から編入学するなどで教職課程に必要な単位数を一から修得すればOK。
一種免許の場合は、「学士+教職課程」が取得の条件ですが、すでに大学を卒業している人なら、1年次から学び直す必要がないところがポイントです。

社会人になってから教員免許は取得できる?

教員免許が取得できる通信制大学は、特に社会人になってから教員への転身を志した人にとっては強い味方です。
メリットの一つは、働きながらでも自分のペースで学べること。
出勤前、通勤途中、帰宅後、休日などの時間を利用できるので、十分両立が可能なのです(※もちろん、スクーリングや教育実習は昼間に会場や実習先に通う必要があります)。
また、通学制の大学と比べると学費が大幅に安いことも、経済的な負担をできるだけ抑えたい社会人にとってはうれしい要素の一つといえるでしょう。
このようなニーズにこたえるため、学歴や取得を希望する免許の種類に対応して、編入学や科目等履修のコースを複数用意している通信制大学もあります。
教員養成系の学部・学科はもちろんですが、それ以外の学部・学科でも、中学・高校の教員免許を取得できるところは多数あります(例えば、国文学系の学科なら「国語」、情報系の学科なら「情報」など)。
各大学の「取得できる資格」をチェックしてみましょう。

1-3教職大学院とは

教職大学院とは、研究系の教育学研究科などとは別に、教員の実務能力養成を目的として開設されている専門職大学院のことです。
対象としているのは、主に、学部を卒業し、教員免許を取得したばかりの層と、教員としてすでに一定のキャリアを積んだ中堅層。
前者に対しては、即戦力として活躍できる実践力や展開力を養うことを目的とした教育を、後者に対しては、スクールリーダーに必要とされる指導理論や指導力・実践力を養うことを目的とした教育を提供します。
修業年限は原則2年ですが、現職教員向けに1年で修了可能なコース、プログラムを設けている大学院も少なくありません。
教育の特色は、事例研究、授業観察・分析、ワークショップ、フィールドワークなどを充実させ、現場で生かせる実践力の養成に力を入れていること。
提携している地域の小学校などでの実習にも時間をかけて取り組みます(1年制コースで学ぶ現職教員は実習が一部、または全部免除される場合も)。
なお、研究系大学院の修士課程と同様に、修了すると専修免許状を取得できます。

1-4教職大学院、教員免許の最新事情

教職大学院の現在

国は全国的な教員の質向上を目指して、教職大学院の拡充を進めてきました。
2016年4月には、岩手大学、秋田大学、茨城大学、埼玉大学、千葉大学、新潟大学、富山大学、金沢大学、信州大学、和歌山大学、島根大学、広島大学、山口大学、香川大学、愛媛大学、佐賀大学、大分大学、琉球大学が、2017年4月には、弘前大学、福島大学、星槎大学、横浜国立大学、三重大学、滋賀大学、立命館大学、熊本大学、鹿児島大学が一挙に教職大学院を開設。
現在、教職大学院は47都道府県中46都道府県に開設されており、教員の教育環境に関する地域格差は大きく解消されました。国立では47大学が、私立では7大学が教職大学院として存在しています。

教員免許の更新制度が廃止に

教員免許更新制は2009年4月1日から導入された制度で、教員免許に10年の有効期限を設け、更新の条件として、期限前の2年間のうちに大学などで教科指導などに関する30時間以上の講習の受講を課していました。
しかし、多忙な教員の働き方改革の観点も踏まえ、「発展的な解消」という形で廃止となり、2023年度からは教員の資質向上に向けた新たな研修制度が導入されます。

1-5教員免許状の種類について

二種、一種、専修の違い

教員免許状は二種、一種、専修と区分があり、短大卒で二種免許状大学卒で一種免許状大学院修士課程または専門職課程修了で専修免許状が取得できます。
なお、この区分によって、指導可能な範囲に違いはありません。

小学校教諭免許状(二種・一種・専修)

小学校の教員になるために必要な免許です。短大卒で二種免許状、大学卒で一種免許状、大学院修士課程または専門職課程修了で専修免許状が取得できます。
小学校教諭の特色は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作など、幅広い教科を指導できなければいけないこと。
また、低学年・中学年・高学年それぞれに対応して児童の興味・関心を引き出す力も求められます。
そのため、小学校教諭免許状は、教育学部など教員養成を目的とした学部・学科でなければ取得できません。

中学校教諭免許状(二種・一種・専修)

中学校の教員になるために必要な免許です。短大卒で二種免許状、大学卒で一種免許状、大学院修士課程または専門職課程修了で専修免許状が取得できます。
中学校教諭は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、外国語(英語)など教科別に免許状が与えられます。
教員養成系学部以外の文学部、法学部、経済学部などにも中学校教諭の教職課程があり、それぞれの教育分野に即した免許状が取得できます。

高等学校教諭免許状(一種・専修)

高校の教員になるために必要な免許です。大学卒で一種免許状、大学院修士課程または専門職課程修了で専修免許状が取得できます。高等学校教諭免許状には二種はありません。
免許状は中学校教諭と同じく教科別に与えられますが、教科の種類は、国語、数学、理科などのほか、地理歴史、公民、情報、農業、工業など32教科・8科目に及び、中学校教諭より多様です。
それぞれ教員養成系学部以外の文学部、法学部、経済学部などでも取得が可能です。

そのほかの教員免許

上記以外にも、特別支援学校教諭、養護教諭、栄養教諭などの免許状もあります。
例えば、特別支援学校教諭は、障がいをもった児童・生徒に対して、生徒一人ひとりの状態に合った指導を行いますが、そのための資格が特別支援学校教諭の免許状です。
なお、特別支援学校教諭になるには、小学校・中学校・高等学校・幼稚園いずれかの教諭免許が必要で、そのうえで、特別支援学校教諭免許の取得が原則です。

監修:乾喜一郎 リクルート進学総研主任研究員(社会人領域)

最終更新日:2022年3月30日

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